調布市緑が丘 ルミエールピアノ教室 仙川駅下車

🎶自己紹介
自己肯定とコンプレックスの人生
3歳で出会ったピアノの先生は、その後の「私の人生を作ってくださった先生」でした。
この出会いがなかったなら、私はきっと「ピアノ」という生き方を選ばなかったでしょう。
素晴らしい先生の導きでピアノが大好きになり、先生も次々と魅力的な曲をくださって、
小学校3年生の時にはなんとハイドンのピアノ協奏曲が弾けるほどになっていました。
この頃は自分の中での「順風満帆」な時期だったのでしょう。
何もわかっていない子供でした。
ピアノは大好きでした。でも実は、練習は大嫌いだったんです。
週に1時間しか練習しないような子で。
でもいつかはピアニストになる!という都合のいい夢ばかり持ち続けていました。
ピアニストになるためには圧倒的な練習量が必要です。
でも当時はそんなこと全くわかっていませんでした。
いずれきっとなんとかなる、なんて漠然と思っていました。
この都合のいい考え方は、なんと20歳過ぎても続いていたんです。
物事を知らないって本当に恐ろしいですね。
私にとっての最初の師匠は、本当に素晴らしい先生でした。
音楽の美しい表現は何であるかを、自然なかたちで伝授してくださいました。
ただ、一つだけ大きな問題がありました。
技術をつけるために必要なハノンやツエルニーなどのテクニック本を一切やらなかったことです。
25歳になって受けたショックとその後の苦闘
結局、私は正しい練習の仕方を何ひとつ分からないままに大人になってしまったわけで、
友人に誘われて参加した、とある音楽祭でいきなり奈落の底に突き落とされて
ようやく真実を知った訳です。
おまけに音楽祭で一人の先生から
「そんな程度のピアノしか弾けないんだから、その程度の人間なんでしょ」
という趣旨の言葉まで投げかけられる始末。
一気に襲ってきたパニック。
それまで極めて楽観的でおめでたい人間だった私が、
ようやく目を覚ました瞬間でもありました。
それからが大変。
すべてがぶち壊され、思考の再編成が必要でした。
年に2回開催されていたこの音楽祭にひたすら通い詰め、
本当の意味でのピアノの勉強が始まりました。
しかしやっきになって始めた猛練習は、すべて的の外れたものであって、
本当の力をつける練習とは程遠いものでしたが。
でもこの頃から少しずつピアノ伴奏のお仕事を頂くようになり、
やっと小さいながらも社会的な活動をし始めました。
そして短大講師としても勤務、その後35年続くことになります。
「音楽」って「人生」と同じ
音楽祭の先生が私に言い放ったお言葉は、
その後の自分を変えていく大きな力となってくれました。
暗中模索を繰り返すうち、そして様々な経験を経て
「音楽を深く知る事は、人生の生き方を知る事と同じ」
と気づくことになります。
豊かな人間性を持つ、人間の幅を広げるには、
自分の音楽的力量を上げることと無縁ではない、と。
今まで自分の音楽表現で気づかなかったことのなんと多いことか。
音楽の真実を知りたい、と強く思うようになって数十年。
ようやく何かが見えてきたように感じています。
でも「見えた!」「わかった!」と思っても、それが勘違いだったなんて話、普通にあります。
手が届きそうで届かない。だからこそ偉大な音楽家達の偉大な作品は今でも世界に君臨し続けているのでしょう。
正しい指導と正しい練習方法
音楽祭に通い詰めた20代。
30代になってからはヨーロッパの講習会に通い詰めました。
そして、ついに生涯の師といえる師匠と出会うことができました。
ようやく私が本来のピアノ奏法を正しく学べる機会を得たのです。
これも呑気に「なんとかなるさ」なんて構えていた若い頃とは違い、
本当に私が心から渇望するようになったからこそ出会えたのだろう、と思っています。
ぐちゃぐちゃで絶望的な指運びをなんとかしたい、と
指強化、矯正メソッドの先生の門も叩きました。
そして、この年齢になってようやくまともに指が動き出し始めました。
テクニックは正しく練習さえすれば、年齢に関係なく確実に向上することを
私自身が実証できたと思っています。
1200人の生徒さんを指導して
短大講師としてピアノの個人指導を続けた結果、教えた生徒さんの数は1200人になっていました。
様々なレベル、能力の生徒さんに出会いました。
適正もバラバラ、性格もバラバラ。
どのように教えたらよいのか?どうしたら音楽を楽しんでもらえるのか?
葛藤を続けるうちに、だんだんと答えは導かれていきました。
大事なことは、生徒さんの心に寄り添う指導をすること。
なにが得意で不得意の見極めができること。
個性に適した指導ができるようになること。
そして時代が移り変わると環境も変わり、
生徒さんの性格もまた変化していくこともあります。
以前はこの指導法で良かったことが、今では通用しない、なんてことは頻繁に起きます。
自分流の指導法を確立したからといって
それに慣れてしまってはいけない。
それは肝に銘じなければいけないと思っています。
私は演奏することも指導することも大好きです。
私はピアニストとしてまだまだ向上したいと思っていますし、
その勉強し積み上げてきた宝物を
生徒さん方と分かち合いたいと思っています。
音楽って人生をかけるに相応しい、素晴らしいもの!と信じています。